パパになった航空自衛官は強がり双子ママに一途な愛をわからせたい
「アラスカへ?」
「ああ。いろんな国が集まって、大規模な軍事演習をするんだ。今年は、俺の所属する飛行隊が行くことになった」
「そうなんですね」

 伊澄さんがキラキラした瞳で語るから、なんだか私も誇らしい。
 だけど、伊澄さんは急に表情を曇らせる。

「だがそれが、六月の頭から一か月なんだ。千愛里の誕生日があるのに、一緒にいられなくて悪い」

 彼の声に、私も落胆してしまう。

 誕生日を迎えたら、私は自由の身だ。
 彼と一緒になっても、誰にもなにも言われない。こんなふうに、こそこそとお付き合いする必要もなくなる。

 だけど私は、頑張って笑みを浮かべた。落ち込んでいては、彼に「行くな」と言っているようだ。空を飛ぶ彼を、応援したい。

「私は平気です。頑張ってください」
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