パパになった航空自衛官は強がり双子ママに一途な愛をわからせたい
『俺はそれでも、千愛里が好きだ』
彼はそう言ったけれど、きっと気持ちは変わるだろう。あんなにひどい言葉を並べたのだから。
彼には私じゃない誰かと恋に落ちて、幸せになってほしいと思う。私じゃない誰かと、幸せな家庭を作ってほしいと思う。
どのくらい、そうしていただろう。民間機とは異なるエンジン音がして、私は窓の向こうを見た。
主翼の前に四つのプロペラがついた、緑色の大きな航空機が、空へと飛び立つところだった。
ボディに大きな日の丸を掲げたあれは、ハーキュリーズ――航空自衛隊の、戦術輸送機だ。
その背後からは、四機のイーグルが編隊を組んでついてゆく。きっと、あのどれかひとつに、彼がいる。
「さようなら、伊澄さん」
私はもう戻れない過去への未練を断ち切るように、握りしめていたこぶしを開いた。スマホを取り出し、彼の連絡先を消す。
彼との思い出は、全部ここに置いてゆく。
私は気持ちを入れ替え、立ち上がった。父のもとに、戻らなくては。
彼はそう言ったけれど、きっと気持ちは変わるだろう。あんなにひどい言葉を並べたのだから。
彼には私じゃない誰かと恋に落ちて、幸せになってほしいと思う。私じゃない誰かと、幸せな家庭を作ってほしいと思う。
どのくらい、そうしていただろう。民間機とは異なるエンジン音がして、私は窓の向こうを見た。
主翼の前に四つのプロペラがついた、緑色の大きな航空機が、空へと飛び立つところだった。
ボディに大きな日の丸を掲げたあれは、ハーキュリーズ――航空自衛隊の、戦術輸送機だ。
その背後からは、四機のイーグルが編隊を組んでついてゆく。きっと、あのどれかひとつに、彼がいる。
「さようなら、伊澄さん」
私はもう戻れない過去への未練を断ち切るように、握りしめていたこぶしを開いた。スマホを取り出し、彼の連絡先を消す。
彼との思い出は、全部ここに置いてゆく。
私は気持ちを入れ替え、立ち上がった。父のもとに、戻らなくては。