パパになった航空自衛官は強がり双子ママに一途な愛をわからせたい
 手短に荷物をまとめ、家を出た。
 父への謝罪の気持ちを込め、一度家を振り返り、頭を下げる。

 それから、私は小松駅へと歩いて向かった。その道中で、大雅に電話をかけた。

『困ったときは、絶対頼れよ』

 伊澄さんと別れると決めた時、大雅が別れ際にそう言ってくれたことを思い出したのだ。

 頼るのは申し訳ない。だけど、私はお腹の子たちと、生きていきたい。
 大雅ならきっと、私の逃亡先も見つけてくれる。

「もしもし?」

 電話がつながり、意を決して声を出す。

『どうした千愛里?』

 彼の声に、私はごくりと唾を飲み込み、それから深呼吸して彼に伝えた。

「ちょっと、助けて欲しくて」

 事情を説明すると、大雅は『すぐ行く』と電話を切った。
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