パパになった航空自衛官は強がり双子ママに一途な愛をわからせたい
「あまり手入れに来ていないから、少し荒れちゃってるけど」

 黒木さんはそう言いながら、玄関の鍵を開けた。雨戸も開けてもらうと、部屋の中に光が差し込む。
 リビング、その奥にダイニングキッチン。向こうの部屋は和室という、日当たりの良い1LDKだ。

「急に子どもたちが帰ってきても泊まれるように、家具はそのままになってるの。結局使ってないから、どうぞ使って。あ、お布団はそっちの押し入れに入っているわ」

 黒木さんはそう言いながら、ブレーカーを上げてくれる。

「本当に、いいんですか?」
「ええ。私も、子どもが戻ってきたみたいで嬉しいのよ」

 だけどタダでというのはやっぱり申し訳ないと言うと、格安な家賃で貸していただけることになった。

「片親だと色々と大変なこともあると思うの。不安なこともあるだろうから、どうか、協力させてちょうだいね」

 黒木さんはお茶目にウィンクをしてそう言う。
 彼女の優しさに、感謝してもしきれないほど、胸が温かくなるのを感じた。
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