パパになった航空自衛官は強がり双子ママに一途な愛をわからせたい
 しかし、カートに乗った瑞月が身を乗り出し、彼を見ようとする。

「ママ、だあれ?」

 私は慌ててふたりを隠した。瑞月は私の陰に、琉星は顔を肩にうずめるように。
 ふたりは伊澄さんに似ている。顔を合わせてしまっては、伊澄さんの子だとばれてしまいかねない。

「ママの、お友達」

 動揺する気持ちを隠すように、先ほどの彼の言葉を借りてそう答えた。すると瑞月は落胆したように上を向く。

「パパじゃなかったー」

 そう言った瑞月の口を、急いで手で塞いだ。

 保育園ではパパがお迎えにくる子も多い。だから瑞月はここ最近、〝パパ〟という存在に憧れているらしい。
 詳しい事情が知りたいわけではなく、年相応の単なる憧れだと思う。
 だからこそ、大雅や丸部キャプテンなど、大人の男性に会うたびに「パパじゃなかった」と瑞月は落胆する。

 だけど、彼に聞かれてはたまらない。ぷくっと頬を膨らませた瑞月の口から手を離すと、私は早口に告げた。
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