パパになった航空自衛官は強がり双子ママに一途な愛をわからせたい
「お肉取ったから、もうレジに行こうね」

 玉ねぎや調味料、付け合わせの野菜は家の冷蔵庫にあるものでなんとかなる。今はとにかく、伊澄さんの近くにいてはダメだ。

 そう思い、足早にレジへ向かう。だけど、伊澄さんは私を追いかけてきた。

「シングルマザーなのか?」

 伊澄さんに肩口に話しかけられ、私は立ち止まった。どうやら、先ほどの瑞月のぼやきを聞かれてしまったらしい。

「すみません、この子パパに憧れていて」

 伊澄さんの隣にいる彼女に弁解するように、私は慌てて口を開いた。

 しかしその間に、伊澄さんは子どもたちをじっと見る。瑞月と琉星はきょとんとして、彼の顔を見返していた。
 脈が耳元に聞こえるほど、大きく打ちつける。すると、隣にいた彼女が、むっと顔をしかめた。

「もう行きましょうよ」

 女性はそう言って、伊澄さんの腕を引っ張る。しかし、伊澄さんは持っていた買い物カゴを彼女に押し付けた。
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