DEAR 2nd 〜Life〜




───……次の日。



今日も長ったらしい講義を終えて、あたし達は約束通り買い物に出掛けた。




「やーっばい!!!!
見るの触るの全部欲しいっ!!!!」



「マキ~、さっきも死ぬほど買ったじゃん。」



「えー、だって欲しいのありすぎるしぃ…」





久々に賑やかな街に繰り出し、あたし達はそれぞれ好きなショップに別れてショッピング中。



服や好みが似ているマキとは、ほぼあたしと好きなブランドが被っていて。



そんな気の合うマキと意気投合して、ひたすら一緒に服を探っていた。





「……ってか、彩全然買ってないじゃん!!!!」



「……あ~、うん。

何かこうピンとくるのがなくって……。」





何だかなぁ……。



マキにそう言われ、あたしはまたショップ内をぐるりと見回した。




……どうしよう、かな。


やっぱり可愛いワンピースが欲しいなぁ……。




キョロキョロ……。




朝岡さんって、結局はどんなタイプが好きなんだろう。


服とか髪とかメイクとか……


どんな感じが好きなの?



あたしっていつも姫っぽいふわふわなのしか着ないから……




もし、朝岡さんに“こんなのがいい”ってリクエストされたら、喜んで着ちゃうのになぁ……。





───…もう。すぐこれだ。



“好きな人に理想を言われたら、少しでもその通りになりたい”。



……喜ぶ顔が見たい、なんて。



……我ながら本当に恋愛バカ。



単純過ぎる。





「───…はぁっ…


……ん……?」




自分に呆れて溜め息を付き顔を上げると、不意に目の前に飾ってある一枚のワンピースに心が揺れた。





「───…あ……これ可愛い……。」





上品でそんなにくどくない、甘いピンク。


サイドにリボンがあって、それが華やかで全体的に淡い印象を持たす、一枚のワンピース……。




……うわ、これ完全にあたし好みな一枚じゃん……。




────…チラチラ…




実際に手に取り、自分に当てて見たり、色んな角度から見てみたり……





───…そうこうしてるうちに





「───あー!!!!

彩そのワンピ可愛い~っ!!!!」




買い物を済ませ、手に沢山のショップ袋を抱えたマキがやって来た。



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