DEAR 2nd 〜Life〜
桜並木の中を一緒に肩を並べて歩き、
やがてさざめく波の音が聞こえて来ると───…
「───…海だぁ……!」
テンションが一気に上がる。
まだ春だし、当然まだ海の季節ではないけれど。
いつの季節だって、海に訪れればその壮大さに気分が高揚してしまう。
……海に来たのは──…
そう、ぶんちゃん達の送別会ぶりだっけ……
「────あ。桜貝や♪」
────サクサク…
「───ほら♪」
朝岡さんは綺麗な桜貝を見つけ、あたしの手のひらに乗せた。
「……ほんとだ……。
……綺麗………。」
「夕陽も綺麗やで?」
「────…わ……」
目の前には、オレンジ色の夕陽に照らされた海。
───思わず息を呑んだ。
……言葉にならない。
……朝岡さんって、すごいなぁ……。
いつもいつも、あたしが知らない場所とか景色とか。
気付かない物だとか。
鼻にかけないで、笑って見せてくれる人だもの………。
───二人で砂浜に腰掛け、夕陽が素晴らしい情景を見ていた時。
「───ぶんと別れたんやって……?」
朝岡さんが、ふいに口を開いてきた。