DEAR 2nd 〜Life〜





「……へへっ……」






────バカだ。




バカみたい。





ナナにはもう新しい友達いるじゃん。




ちゃんと新しい環境に馴染んで楽しんでるじゃん。






───あたしと違って……







「────…~~っ……




……電話──……





しなきゃよかった───……」







────ねぇ





寂しかったよ。





あたしだけが取り残されたようでね、すごく寂しかった。





だってあたしの周りは、確実に進んでる。





いつだって、簡単に思い出に帰ったりすることは出来るけど。






……その一瞬一瞬は、もう二度と戻って来ない事を思い知った。




ナナを恨んでるんじゃないよ。




ただ………ね。




何もかもに見放されたような気がしてならなかったの。





置いてきぼりにされたんだって、悲しかった。




友達なのに、どこかもう遠い人に思えた。






「………一人ぼっちって……こういう事……かぁ……」






─────…ギュッ…










“───あまっ!



朝岡さん、これ砂糖入れすぎだよ~…”





“……ごめん、ぶっちゃけ俺も入れすぎかなぁとは予測してた♪”





“……もー…!

いくら何でもここまでお子ちゃまじゃないもん。”





“……ごめんごめん、立派なレディに失礼な仕打ちでした。”





“……そういうのが子供扱いって言うの~!!!!”









─────…ポタッ




ポタポタッ────……







───澄み渡った、青い空の下。







「───……ふ……っ」






あたしは、湯気が上がるカップを強く握り締めながら泣いていた。







───夢見ていた日。






あたしはそこで、泣きながらコーヒーを飲んだ。






………昨日、あなたと一緒に飲んだコーヒーとは真逆。






苦くて、悲しくて。







───…一人、だった。









ずっとずっと





待ち望んでいた日は






そんな一日だった。





< 210 / 475 >

この作品をシェア

pagetop