DEAR 2nd 〜Life〜
「……へへっ……」
────バカだ。
バカみたい。
ナナにはもう新しい友達いるじゃん。
ちゃんと新しい環境に馴染んで楽しんでるじゃん。
───あたしと違って……
「────…~~っ……
……電話──……
しなきゃよかった───……」
────ねぇ
寂しかったよ。
あたしだけが取り残されたようでね、すごく寂しかった。
だってあたしの周りは、確実に進んでる。
いつだって、簡単に思い出に帰ったりすることは出来るけど。
……その一瞬一瞬は、もう二度と戻って来ない事を思い知った。
ナナを恨んでるんじゃないよ。
ただ………ね。
何もかもに見放されたような気がしてならなかったの。
置いてきぼりにされたんだって、悲しかった。
友達なのに、どこかもう遠い人に思えた。
「………一人ぼっちって……こういう事……かぁ……」
─────…ギュッ…
“───あまっ!
朝岡さん、これ砂糖入れすぎだよ~…”
“……ごめん、ぶっちゃけ俺も入れすぎかなぁとは予測してた♪”
“……もー…!
いくら何でもここまでお子ちゃまじゃないもん。”
“……ごめんごめん、立派なレディに失礼な仕打ちでした。”
“……そういうのが子供扱いって言うの~!!!!”
─────…ポタッ
ポタポタッ────……
───澄み渡った、青い空の下。
「───……ふ……っ」
あたしは、湯気が上がるカップを強く握り締めながら泣いていた。
───夢見ていた日。
あたしはそこで、泣きながらコーヒーを飲んだ。
………昨日、あなたと一緒に飲んだコーヒーとは真逆。
苦くて、悲しくて。
───…一人、だった。
ずっとずっと
待ち望んでいた日は
そんな一日だった。