DEAR 2nd 〜Life〜




あたしと………





同じ印───…







「───…朝岡さんってねー?





最近まで、ずぅーっと好きな人がいたんだってぇ~」







「────え……」







「………ずっと報われない恋して疲れたんだって♪」






─────ドクン……






────……それって







「……その想い続けてる人とマキが、何か似てるんだって♪




だからすんごい気が合っちゃって~」






「─────…ッ……」





もういい




やめて






「───ねぇ彩っ!




マキのノロケ聞いてっ?」






やめて







「───エッチしてる最中の朝岡さんも優しくってぇ……」






────…やめて






「もうマキ幸せでっ♪」





やめて




やめて




吐きそう






想像もしたくないのに、勝手に二人が絡んでる姿が脳裏に浮かぶ。





────…嫌だ。




嫌だよ、嫌だ。






……だけど





ねぇ朝岡さん。










“疲れた”





“恋してた”







……もうあたしは過去形の人間なの?






待ちくたびれて当然な年月。





長い間待たして疲れちゃった?





もう嫌になっちゃった?





マキに盗られたって言うのも可笑しいかな?




怒るのも場違いなのかな?





だって付き合ってないし、朝岡さんは彼氏じゃないもんね。




初めから、朝岡さんはあたしのものじゃない。






───そう。





朝岡さんは、誰のものでもない。





だから、朝岡さんが誰と何しようがあたしに責める権利はない。






────…たとえマキを選んだとしても……








「───さぁ授業を始めますよ、みんな席に着いて………」





いつの間にか先生が教卓に立っていて、一限目の講義が始まった。






……助かった……。





あれだけ嫌だった授業の方が今じゃ落ち着くだなんて。




ホッと息を吐き、机の引き出しから教科書を取り出そうとすると






━━━━━━チクッ!






「──────!?!?」






指に鋭い痛みが走り、慌てて引き出しから手を引っこ抜く。





───…すると








「────……血……?」






その指からは、何故かポタポタと血が流れていた。



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