DEAR 2nd 〜Life〜
────何………?
ドクンドクンドクン………
嫌な冷や汗が一気に溢れ出し、吐く息が徐々に荒ぐ。
────カタッ………
恐る恐る引き出しに手を入れると
「──────!」
────…そこには
ボロボロに切り刻まれた教科書の変わり果てた姿があった。
お粗末にも、もう“教科書”と呼べる状態ではない。
しかもそこには
───────────
このカッターあげる♪
プレゼントだよっ
(^o^)♪
これでリストカットすればっ?
───────────
───…そう書いたメモと一緒に、カッターの刃が教科書に刺さっていた。
「─────ッ………」
泣いちゃダメ
ほらまた笑われてる
泣いちゃダメ
泣いちゃダメだよ
平気なフリしなきゃ
泣いたりしたら
また笑われる
泣くな
泣くな
泣くな─────!
………だけど結局、背後から聞こえてくる笑い声には勝てず
─────ポロッ…
また泣いてしまった。
指より、心が痛くて。
指の流血より、心の流血の方が酷くて。
あたしが一体何したんだろうって、何度も何度も繰り返し考えた。
「……………」
だけどいくら考えても答えは出なくて。
心の中の信じていた柱が、どんどん崩れ去っていく。
つい最近まで仲が良かった友達が、まさかここまで豹変するとは思わなかった。
まさか好きな人を奪われるなんて、思っても見なかった。
ずっと繋がっていると思っていた親友でさえ、遠くに感じた。
好きな人でさえ───…
「───…では、これで講義を終わります。」
休み時間になるたびに怯えていた。
「もーっっ♪マキ超幸せぇっ♪」
耳にへばりつくマキの自慢話を聞く度に、頭が割れるように痛かった。
───内から壊されていくあたしの心。
好きな人も、友達も両方失った。
────裏切られた。
だから
“何かを信じる余裕”なんか、どこにもなかった。