DEAR 2nd 〜Life〜





「───……はぁっ…」






息苦しい一日を終え、ようやくまともに息が出来る帰り道。





クラスメイトの子達と同じ電車に被るのが嫌だから、わざとゆっくり歩いて時間を稼ぐ。





───…その度に、今日の出来事が頭に浮かんでくるからまた憂鬱になる。






────結局………





やっぱりあの日、朝岡さんはマキと会ったんだな……。






それは事実なんだ。





だって





朝岡さんが今まで報われない恋をしてたって事。





あたしから話した事がない訳だから、マキが知るわけない。





それを知ってるって事は───……。







「………やめよ……」






また頭痛くなってきた。




気持ち悪いし、早く帰って寝たい……。






─────ポーン……





やっとエレベーターが自分の階に到着して扉が開き、






「……鍵……」





ガサガサと、バッグの中から家の鍵を取り出して前を向いた瞬間










「─────……」








あたしの足が凍りつく。






だって






────家の扉の前。







黒いジャケットのポケットに手を突っ込み、





寂しそうに俯いて誰かを待っているその横顔は








「──────…ッ……」








────どうして






どうしてここに







「…………」






静かに後ずさりして、その場から逃げるはずだった。





なのに






────スルッ……






咄嗟の出来事に、指から力が抜け






「────!あっ……」











─────チャリーン










床に、鍵が落ちた音が鳴り響く。







「─────……っ」






ヤバい





しまった





焦って鍵を拾おうとするよりも早く














「──────彩……?」












あなたの声が







あたしの背中に降ってきた




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