DEAR 2nd 〜Life〜
「───…どうした?」
朝岡さんの声にハッと我に返り、無理やり笑顔を繕う。
「ううん、何でもない♪」
───…そうだよ。
朝岡さんだって、いつまでもあたしを好きなわけない。
告白して断ってから、もう一年になるんだし。
もう朝岡さんに、他に好きな人が出来ててもおかしくない。
ってかそれが自然だし、当たり前のこと。
ただ、あたしが泣き虫で、甘ったれで、打たれ弱いから心配してくれてるだけだよ。
……朝岡さんは優しいから。
こうやって、困ってる人を放って置けない人だから……。
だから、いつまでも“朝岡さんがあたしを好きでいてくれる”なんて自惚れちゃダメ。
そんな甘い場所作っちゃダメだよ。
────……
“朝岡さんがチカさんとキスしたか気になる?”
──…気にならない。
気にならないよ。
ちっとも気にならない。
……もうあんな思いしたくない。
もう傷付きたくないし、泣きたくない。
今は揺れ動いちゃダメ。
絶対────……。
─────…ギュッ…。
ポケットの中にあるアメジストを、ぎゅっと握りしめ、そんな決意を固めた。