DEAR 2nd 〜Life〜







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T音大






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「…着いた…」






やっとの思いでT大へと足を引きずり、周りを見渡す。






───ザワザワ…





やっぱり規模が大きいからか、たくさんの人が集っていて身動きもロクに取れない。







「──…えっと…

あれかな…?ホール…」






────カツッ…カツッ…





どんどん腫れていく不自由な足を動かし、やっと辿り着いたのは







「───あ…あった…」







それは去年も見掛けた白い壮大なホール。






───…着いた…






あたし辿り着けたんだ…。







────ドキンドキン…






今この中にあなたがいるのなら





あたし達の距離は限りなく近いね──…









─────ワァァァッ!





「!」






突如ホール外まで聞こえてきた歓声に




チケットを持っていない人達が、ホール外で一生懸命音漏れを立ち聞きしている感じからすると──…







「───…紅…?」







もしかして




もしかして紅のライブまだ終わってないんじゃ──…








「次、紅ラストの曲だって!!」




「えーマジ!?はやぁい!

もっと聞いてたいよねぇ!」






──────…






…くれ…ない……





ラス……ト……?







周りで音漏れを聞いている人がそう騒ぎ、あたしも同じくホールを見つめた







────その時だった。





















─────────…♪

















───────……















─────────…♪












─────ポタッ…







─────ポタッ…








「────……っ






────………さ…







────朝…岡さっ……」











神様は







いないかもしれない









でも





もしかしたらいるかもしれない






だって




こんなあたしに






聞きたかった最愛なる人の声を







風に乗せて







流してくれたから




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