DEAR 2nd 〜Life〜



──────…♪







久しぶりに耳にしたその声は





やっぱり聞くだけで耳にすんなり入って来て、自然に心に馴染んで胸を鷲掴みにされる。







どこか透明で丁寧で綺麗ででも切なくて─…







─────…ストン…







あたしはそのままホールにもたれ掛かるように地面に座り込んだ。





このまま急いで入場してもよかったけど…。




席を探したりしてる間にこの曲が終わってしまうような気がしたから。





そんな事絶対にもったいないし、それに───…








「───…声……




聞けるだけで十分すぎるもん……」








……そう。





今のあたしにはこれでも十分すぎるくらいの幸せなんだ。






つい数日前まではこんな近くに来れるチャンスもなかったし



数時間前まではここに来れないくらいの困難があったから。











──────…♪…








最愛なる人の声が風に流れる、そんな極上に幸せな時間の中。







─────…カサッ…






あたしはチケットに綴られている文字をじっと見つめていた。












───────────










親愛なる君へ










…こんな夜遅くにごめん。








元気にしてた?








あのさ……







チケット受け取ってくれるかな。








無理に来いとは言わんから








俺は歌を歌うことで、幸せを感じてる。








……君もそう思ってくれるんやったら俺はすげぇ嬉しい。









君が






元気で幸せにいてくれるように願ってる。










ありがとう









My Dearest you








from










朝岡 純





───────────

















「───…朝岡さんの……盲点だったね…」








あたしが英語好きだって知らなかった?







「…これくらい…




何書いてるか分かるよ──…」









聞こえてくるあなたの声に涙を流しながら






─────ギュッ……










「───…好……き……っ……」








あたしは





あなたの声に答えるかのようにそう呟いていた。



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