DEAR 2nd 〜Life〜




───……マリアが部屋を出て、何時間経ったんだろう。





あたしは多分夜通しずっと起きていた。





……というか、眠れなかったって方が正しい。





ずっと今聞いた話を頭でリピートさせ、考えていた。






───“失ったものは何だろう”って。





もしくはそれに代わる“代償”は何なのかなって。





どこに捨てて、



何を置いて来て、



どうやったら失った物を取り戻す事が出来るかなとか。





遅いのかな、間に合うのかなとか───…








「──…あ~…もう…」






答えが出ない事をいつまで考えてもキリがないよ。






────動かなきゃ。





そしたら答えが出なくても“キッカケ”が見つかるかもしれない。







「───…行こう…」






行かなきゃ。





この手で壊したモノを拾いに。





壊れたなら拾えばいいかな?



拾えないなら伝えればいいかな?





どれだけ罪に苛まれても、あたしは───…






あたしは、どうしても朝岡さんに伝えなきゃいけない事がある。







────…カチャ…。






ドアを開け、空を見上げると






────…キラッ…






決心したその瞬間を祝うかのように、ちょうど朝日が昇っていた。









「───…朝だぁ……」






んーっと伸びをして、

朝の清々しい空気を吸って深呼吸。







────…きっと





あたしの心にもいつか朝は来る。






そう信じて、あたしは一歩ずつあなたの元へ歩き出した。










「───…いらっしゃいませー。」







……数分後。





あたしは朝岡さんまでの家に着く途中、早朝のコンビニに入って食べ物を物色していた。






「…えーっと…」






熱出てる時ってゼリーとかプリンとかがいいかなぁ……。




……あ、ポカリとか冷えピタシートとかもいるよね…。





あとは……






「───あ…」






────カサッ…










“のど飴”









「…これも…いるかな…」





喉……やられてないといいけど……。




一番大事にしてるもんね…。







「───…ありがとうございましたー。」







───ガサッ…





あたしは結局大きな袋を抱えて店を出た。


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