DEAR 2nd 〜Life〜





────…シーン…。







緊張で泣きそうなあたしと反対に、物音一つしない室内。






「…寝てるかな…」






…残念……だけど仕方ないかぁ…。




時間が時間だもんね…






────キュッ…





あたしはしょんぼりとうなだれ、持っていたコンビニ袋を弱く握り締めた。







せっかく買ってきたんだし…




せめてこれだけでも受け取って貰えたら嬉しいな…。






ポストとか見るかな……?







「……っつかプリンとか大丈夫かな…これ……」






────…カサカサ…






コンビニ袋からお見舞いグッズを取り出し、




ドアに付属しているポストに入るのかと一人ぶつぶつ呟いていた









─────その時














─────…カタッ








────カタン……












─────カチャ…


















━━━━━━ドサッ!












─────…カラン…






カラン─────…









手からすり抜けたコンビニ袋から、色んな物が床に散らばる。






だけど





あたしは拾えないで涙が溢れていた。








だって






だってね
















「────……彩……?」









「─────…っ…」









「────…嘘……やろ…




なん……っで……」








「────…~~~っ







ごめ───…っ






……ごめ…っなさ───…







朝岡さんごめんなさい───…っ……!!!!!」












視界がそこで真っ暗に塗り潰される。






ついに涙であなたが見えなくなったかと思ったのに








─────ギュッ…







そうではなく、あたしは朝岡さんの大きな腕に抱き締められていた。





力強くて鍛えられた逞しい腕に。





けれど熱を帯びた朝岡さんの身体は、マリアが語った“真実”を物語っていた。







───…本当だ……





本当だったんだ……







────ギュッ…






簡単に潰されそうなくらいあたしは強く強く抱き締められ








「───……夢……か…?」







朝岡さんは熱混じりの吐息でそう尋ねた。



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