DEAR 2nd 〜Life〜
「……どうした?
そんなとこで突っ立って。」
「──…あっ、いえっ…
何にも………。」
この先生はあたしの担任でもあり、生徒会も担当している、少し年配の先生だ。
慌ててガラスケースから視線を外し、立ち去ろうとした瞬間。
「──…もしかして桜井、朝岡の事を知ってるのか?」
────えっ……
ピタリと動きが止まり、
パチパチと瞬きを繰り返すあたしを見て先生はフッと笑い──…
「……やっぱり知ってるんだな。
そういえば桜井は和太鼓だもんな。」
「……は、はい…。
じゃあ先生も、朝岡さんを知ってるんですか?」
「あぁ、もちろん知ってるとも。
──…朝岡を生徒会長にさせたのは、紛れもなくこのわたしだからな。」
「───…えっ…!」
先生が???
先生が朝岡さんを生徒会長に?
「──…入りなさい。」
先生はあたしに手招きをして、生徒会室へと入っていった。
「…………」
あたしもまた、知らない朝岡さんの事を知りたい好奇心に駆られ、先生の後を追った。