DEAR 2nd 〜Life〜





『…何言ってんの…

彩ちゃんが謝るとこじゃないよ…』







「……」







『……あれは彩ちゃんが、“純の為に”って一生懸命作ったケーキでしょ?




…なのに…





その気持ちを簡単に踏み潰すような奴らに、彩ちゃんが悪気感じる事なんか一切ない。」







「…ゴロー…ちゃん…」






普段優しくて落ち着いてるゴローちゃん。





感情穏やかで常にふんわりした雰囲気のゴローちゃんが…。








『───…もういい、分かった。






近いうちに俺ん家おいで?





今度は俺と一緒にケーキ作ろう。




それで純を呼んだらいい。




そしたら次は絶対ケーキ捨てられる心配なんてないんだから。





確実にケーキ渡せるよ、

しかも出来立てのやつ。





───…ね?」









「────…~~~ッ」









「───あっ!!でも壱がいるから邪魔入るかもしんないけど。



そうなったらマリアも呼ばなきゃいけないし…





……そうなったら、結局全員呼ばなきゃだな。」






ゴローちゃんはすぐにいつもの想像が立ったのか、フッと呆れ笑いを電話越しに浮かべ








「───…大丈夫。



今回がダメなら次だよ彩ちゃん。





いくらでも一緒に次の方法考えるから、今に嘆かないで。」







「~~~…っ」











“もしあの時”





“こうしていれば”







そんな仮定ばかりの話をした所で、今は後悔の波が押し寄せるだけ。






“次は”





“こうしてみたらどうだろう”







───…そうね。




今は可能性と未来を変える話をして、希望で道を照らしてみたい。










「───あぁ~…

彩ちゃんお願い泣かないで。



そんな泣かせるつもりで言ったんじゃないよ、俺は──…」






「───えっ!!何なに!?



ゴローちゃんってばアヤヤ泣かせたの!?!?ちょっと何してくれんのオレのアヤヤに~!!」





「───ちょっ!!違うって!!こら壱!!




───…っつか、いつからお前の彩ちゃんになってんだよ!!」







「アヤヤ~!!ゴローちゃんに泣かされたんだって!?大丈夫!?



オレ純に言い付けてやろうか!?」









急に電話口に登場したいっちゃんの声に、あたしは泣きながら笑った。


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