DEAR 2nd 〜Life〜






────…お昼休み。





チャイムが鳴ると同時に、あたしは淡々と息苦しい教室から出ていく。





待ってた貴重な羽休めの時間。




あたしは待ってましたとばかりに校舎の外へ出た。









「───…んーっいい天気♪」







今日も空は青く澄んでいて、見てるだけで暗い気持ちも少し晴れていく。




何だかんだいいながら、

天気がいいとやっぱり気分も違うものだ。






────ストンっ。






あたしは中庭のベンチに腰掛け、紙パックのミルクティーを取り出した。





“お昼”って言ってもいつもこれだけ。





学校にいる間はどうもお腹空かないし、それに──…









「あーっ♪芙佳ちゃんのお弁当おいしそーっ!!」




「何言ってんの、これコンビニ弁当ですけどっ」





「あははっ…」












みんなが輪になってお弁当囲んでるのを見てたら、よく分からない気持ちで胸がいっぱいになるから。






悲しいのか惨めなのか



寂しいのか羨ましいのか





やっぱりよく分かんないけど





でも────…











「───あ~っ!!!!

彩のお弁当超美味しそう~っ♪可愛い~っ♪」





「……え?あぁこれ?

良かったら食べる?」





「わぁっ、いいのっ?♪」




「全然いいよ、どうぞ♪」












……あたしにも、あんな時期があったのになぁと思ってしまうのはどうしてだろう。







はぁっ…と今日何度目かの溜め息を吐き、ふと前を見た瞬間──…。








「────…?




あれ…?」







前方数メートル離れた校舎。




ちょうどお昼休みで混雑するその入り口付近で







─────スッ…







まるでその中に溶け込むように入っていく見たことあるような人影……






あれは────…







「……ってまさかね」






ないない、絶対ない。





だってここは学校だし、

それに───…






そう思い直し、あたしがベンチに座り直した瞬間






────♪~♪♪~






「───ひゃっ…」







聞こえてきたのは着信を知らせるメロディ。





────…と…









【着信; 朝岡さん】








「───朝岡さんっ…!?」

 
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