DEAR 2nd 〜Life〜




「…なっ、なにっ…!?」






すぐ近くで叫び声がし、

急いでその方向に顔を向ければ









「──…んなのよ!!!!」





「あいつ誰よ!?!?」







校舎からバタバタと逃げてくるのはあの三人組。





マキ、ミユ、エリカと─…












「───…マリ…ア…?」








───…そう。




あの三人を追いかけているのは、間違いなくマリアだ。







『───あ。あいつ到着した?』





「…あっ朝岡さん!?!?

何で!?!?何でマリアがここにいるの!?!?」






『……いや。俺が貰うはずやった食べ物の恨みは怖いのよ~。』






「…は…」







…どうしよう、朝岡さんが言ってる事よく分かんない。







その間に三人はマリアから逃れるように中庭を走り回り、追い詰められた形で動きを止めた。










「───お前!

一体何なんだよ!!!!!」






「そうよ!!あんたの顔見たことないもの!

外部の人間でしょ!?!?」









「─────はぁ?





だから何なの?




人のカバン勝手に漁ってる奴に言われたかないわねぇ。




───…低俗。」







「…なっ…!後で言い付けてやるからな!!」







「───…はっ。




“言い付ける”とか大学生にもなって恥ずかしい。

幼稚ね。





……言いたきゃ勝手にどうぞ?




けどあたしもあんたらがしてた事“言い付けて”やるから。




あたしの事言ったら、芋づる式で自分で自分の首絞める事になりそうね。」






「───こいつ…っ!!

黙って聞いてりゃいい気になりやがって!」







━━━━━━バッ!






ミユがマリアの胸ぐらを掴もうと両手を差し出し向かった瞬間








─────……







突進するミユをフワリと軽やかに避け、息を呑む暇なくミユの後方に回ったかと思えば










━━━━━ガッ!















「──────…







次からは





よく後ろ見てから突っ込んだら?





髪の毛むしられたくなかったら、ね。」









マリアは凍りつくような怒りの微笑で微笑み














「────舐めんなよ。」










────トンッ







ミユの髪を掴んだ手を離し、そのまま軽く地面に押した。



< 333 / 475 >

この作品をシェア

pagetop