DEAR 2nd 〜Life〜
「…なっ、なにっ…!?」
すぐ近くで叫び声がし、
急いでその方向に顔を向ければ
「──…んなのよ!!!!」
「あいつ誰よ!?!?」
校舎からバタバタと逃げてくるのはあの三人組。
マキ、ミユ、エリカと─…
「───…マリ…ア…?」
───…そう。
あの三人を追いかけているのは、間違いなくマリアだ。
『───あ。あいつ到着した?』
「…あっ朝岡さん!?!?
何で!?!?何でマリアがここにいるの!?!?」
『……いや。俺が貰うはずやった食べ物の恨みは怖いのよ~。』
「…は…」
…どうしよう、朝岡さんが言ってる事よく分かんない。
その間に三人はマリアから逃れるように中庭を走り回り、追い詰められた形で動きを止めた。
「───お前!
一体何なんだよ!!!!!」
「そうよ!!あんたの顔見たことないもの!
外部の人間でしょ!?!?」
「─────はぁ?
だから何なの?
人のカバン勝手に漁ってる奴に言われたかないわねぇ。
───…低俗。」
「…なっ…!後で言い付けてやるからな!!」
「───…はっ。
“言い付ける”とか大学生にもなって恥ずかしい。
幼稚ね。
……言いたきゃ勝手にどうぞ?
けどあたしもあんたらがしてた事“言い付けて”やるから。
あたしの事言ったら、芋づる式で自分で自分の首絞める事になりそうね。」
「───こいつ…っ!!
黙って聞いてりゃいい気になりやがって!」
━━━━━━バッ!
ミユがマリアの胸ぐらを掴もうと両手を差し出し向かった瞬間
─────……
突進するミユをフワリと軽やかに避け、息を呑む暇なくミユの後方に回ったかと思えば
━━━━━ガッ!
「──────…
次からは
よく後ろ見てから突っ込んだら?
髪の毛むしられたくなかったら、ね。」
マリアは凍りつくような怒りの微笑で微笑み
「────舐めんなよ。」
────トンッ
ミユの髪を掴んだ手を離し、そのまま軽く地面に押した。