DEAR 2nd 〜Life〜
『───あっ!!!
アヤヤだ!』
『えっ!?ちょっ、マジ返せって猿!』
『…ねぇ。どーでもいいけど彩ちゃんケンカ見てるよ。』
『『えっ!?!?』』
小さな画面には、ギュウギュウ押し合いながら映る三人の姿。
「…あの、」
『……いや、ほんまは紅全員で殴り込みに行こうかなと思ったんやけどさ。よく考えたら女子大やろ?』
『……だったら我らが暴れ暴君・マリア様が適任だって話になったんだよね。』
『アヤヤ無事!?!?
兵器マリアのとばっちり喰らってない!?!?
あぁ~オレも女装して行きたかったよ~!!』
「……気持ち悪…」
『───誰!?!?今ボソッと呟いたの!
顔見えないけど大魔王でしょ!!!』
「…その大魔王様が帰ったら猿狩りするから覚悟しな。」
『おっいいねー!俺も混ざろうかな♪』
『ぎゃーっ!!!!純もマリアも嫌い!何でオレなの!!』
「『猿だから』」
「…へへ…っ…
───……~~っ」
────ポツッ…
ポツッ────…
……あれ。
おかしいな。
みんなの顔がぼやけてよく見えない。
すごく嬉しいはずで笑ってるのに涙止まんないなんて。
正反対の反応に自分でもビックリしちゃうよ。
『───わぁっ!!!アヤヤが泣いちゃった!』
『……雨かと思ったらこれ涙なんや。』
『何かケータイだとあんま見れない光景だね。』
水浸しにした画面の中、
三人が変わらない笑顔で笑ってる。
尊くて、誇り高くて何者にも変えられない。
あたしの為に、ここまでしてくれるみんなが好き。
……ほんとに大好き。
「───…ありがとう…」
もしみんなに出逢えていなかったら、あたし今頃どうなってたかな?
この状況に耐えられずに死んでたかな?
“メサイア”が本当に実在するなら、あたしのメサイアはみんなだよ。
仲間の為にってここまで動いてくれる。
助けてって言わなくても助けてくれる。
SOSを知らないうちに拾ってくれる。
……それってね。
簡単に見えて、本当は一番難しい事だったりする。
“心の叫び”って誰にも聞こえないし見えないものだから。