DEAR 2nd 〜Life〜
「……愛美?
何を言っているんだ、そんな謙遜しなくてもいい」
「でもっ…!」
────バサッ!
店長は小さく微笑み、あたしの返事を遮るかのように撮影の日取り候補を渡してくる。
「この世界は実力社会だ。たとえ萌がナンバー2を保った時間が長かったとしても、愛美はそれを破ってナンバー2になってる。
……結果が物語っているんだよ、愛美。」
「……」
「……そうよ愛美。
雑誌に載ればいい宣伝になるし、売り上げや指名にも影響してくる。
こんなチャンス、あんまりないわよ?」
黙ってしまったあたしを、店長は雑誌の出演を承諾したと受け取ったのかニッコリと微笑み
「……じゃあまた改めてこの話をしよう。
とりあえずもう開店する時間だからな。
二人とも、今日もよろしく頼むぞ。」
─────……
「愛美ちゃん、ナンバー2になったんだって?」
「…あ、あぁはい、お陰様で。ありがとうございます♪」
「すごいなぁ~!
愛美ちゃん、何か最近変わったもんねぇ!」
「あははっ、そうですか?じゃあまたギャグの腕磨いときます♪」
……あたしは何故か接客中、胸に何かが刺さったままよく分からない感覚に襲われた。
最近“変わった”とよく言われる。
それは確かに朝岡さんの力なのかもしれない。
恋の力がプラスになって、売り上げや指名を上げたのかもしれない。
でも違う。
何かが違う。
確かにみんなに認められる事は嬉しいし、あたし自身も望んでいた事なんだけど……
「───ねぇ聞いた?
薫ちゃん、とうとうAV嬢に転身したって。」
「うそっ!?!?薫ちゃんが!?!?」
「何か彼氏に暴力あげられてお金取られまくったらしい。」
「そうなの?あの薫ちゃんが…」
仕事上がりの更衣室。
疲れもそこそこに、今夜も賑わい盛り上がる話の中──…。
あたしの耳に、つい最近まで一緒に働いていた一人の嬢の話が聞こえてきた。
「……ねぇ、薫ちゃんってあの薫ちゃん?」
「みたいだよぉ?
みんな目撃してるんだってぇ。」
あたしもまた驚きのあまり、萌にその事実を確認していた所だった。