DEAR 2nd 〜Life〜
『どうした?』
「──…うっ、ううん!
……あ、あの、今、ね?
林田先生に、朝岡さんの生徒会長時代のアルバム見せて貰ってたの。」
………恥ずかしさから逃れるあまり、喋り方がたどたどしい。
バレバレ……かな……?
『───え、俺の?
マジか~、隅から隅までバッチリ見ちゃった?』
「あはは♪
うん見た見た~♪
朝岡さん、相変わらずかっこよかった!」
───…ほっ……。
朝岡さんがいつもと変わらない冗談を飛ばしてくれたお陰で、あたしは何とかいつものように落ち着いて話す。
「……ねぇ、朝岡さん、ホンット凄かったんだね!!!!
何かね、あたし先生から色々話聞いて改めて尊敬しちゃった!!!」
興奮冷めやらぬ声でそう伝えれば、朝岡さんはケータイ越しに笑ったのを感じた。
『───んじゃ……
ちょっとは見直した?』
「───…えっ……
…あっ……うん……
みっ、見直した……。」
『──じゃ、早く会ってくれる?』
─────へ?
「~~だっだから~っ!!
何でそうなるの?」
『……うん、今思い出したんやよね。
“大した用事”やったって♪』
「…む、無理だもん……。
バイトあるし、補習だって……」
『───補習?』
朝岡さんがそう尋ねたから、ハッと自爆してしまった事に気付く。
「……あ、うん。
えっと…その……
また数学の成績悪くて……」
うわー、バカ!
バカバカバカ!
何で自分から墓穴掘るような事言っちゃったんだろう!!!!
『………補習ねぇ……』
さっき先生、朝岡さんは成績優秀だって言ってたし!!
何か恥ずかしい…!
あ、頭悪いって引かれたりして……。
「……だから、ね、
会えな──…」
『───教えたろっか?』
……………。
「……………え?」
目をパチパチと動かし、
耳をギュッとケータイに押し当てた。
……………夢?
だって
朝岡さん、今何て言った?
『……や、だからさ。
俺で良かったら教えてあげよっか?』
「………へ………」
───…夢、じゃ
………ない───…。