DEAR 2nd 〜Life〜






…───数日後。





「……うぅーん…」






あたしは行きつけのカフェで、相変わらずクリスマス特集で賑やかな雑誌を見つめていた。





夜景やイルミネーション、リッチなレストランに、ちょっと雰囲気が違うテーマパーク…。






あたしはそれらの特集を、さっきから穴が空くほどガン見状態。






クリスマス、無事に誘ってもらえたものの…







「…どこ行くんだろ…」





何だかんだ言って付き合って初めてのデート。




どこも混んでるのは分かってるけど、街にも繰り出してみたい気もするし。





…プレゼントは何にしようかなぁ。




それにデート用の服とかコスメとかも欲しいなぁ…。






「……あー。買い物行きたい…」







あたしは湧き上がる物欲を抑えるように、ショートケーキを飲み込んだ。





甘いスイーツにフワフワと幸せを感じていると












「───…お待たせ♪」








─────ポンッ♪






背後から頭に手を添えられ、慌てて振り向くと…








「……どこぞのお嬢さんがケーキ爆食いしてるかと思ったら彩さんやったか♪」







「───あ、朝岡さんっ!



爆食いって失礼!!!!

朝岡さんが遅いから、あたし超お腹空いちゃったんだもん!」






「……はいはい♪

そのまま素敵に太って、大いに胸のサイズ上げてくれ」






「───…なっ!」






「───あ、すみません、コーヒーもらえますか。

ブラックで。」





フォーク片手にプルプルしてるあたしを笑顔で交わし、朝岡さんは爽やかに店員にご注文。







ふ……



太るって!!!!




胸のサイズ上げろって!!!





そ、そういえば最近クリスマス一緒に過ごせるからって安心してお菓子食べまくってたし!





…思い返せば確かその前も誘ってくれないとかで食べまくってたし。





…それに最近体重計にずいぶん乗ってない…







────ヤバい!





初エッチで身体見せるの、何かどえらい恥ずかしくなってきた!!!





痩せなきゃ!








「……ケーキあげる…」





「───へ?

いきなりどないした、お腹減ってるんちゃうの?」





「…お、お腹いっぱいになっちゃって」






あたしは引きつりながら、ケーキの皿を朝岡さんに差し出した。




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