DEAR 2nd 〜Life〜
お腹いっぱいって言ったって、食べたのは一口のみ。
みずみずしい苺や、芸術って言っていい程の生クリームにミント…。
鮮やかな色彩を見てるだけで食欲がそそられるんだけど、ここは我慢だ。
目指せナイスバディ!
あたしはギュッとワンピの裾を握り、ズイズイと朝岡さんに向けて皿を押した。
「……彩」
「あはっ、あたし実は朝岡さんが来る前に寄り道して、たこ焼きも食べたんだよね~」
えへへと笑うあたしを、朝岡さんは怪訝そ~に見つめてくる。
…う、嘘じゃない。
これは本当だもん。
「───ふーん。
ま、俺は彩がそうやって痩せ我慢してストレス溜まってる顔より…
さっきみたいに幸せそ~にケーキ食ってる彩の顔の方が好きやけどね。」
あたしの思惑を読んだのか、朝岡さんはにっこり笑い
「ほら、あーん♪」
容赦なくあたしの口にイチゴを押し込んだ。
「~…、」
飲み込む以外選択肢がないあたしは、もちろんそのまま自動的にイチゴをモグモグ。
急いで飲み込んで、何するのと抗議しようとした瞬間
「───……あ。
ちなみに俺は彩がキスで崩れてる顔も好みやよ♪」
━━━━━ブハッ!
コソッと囁いてくる言葉に、あたしは飲んでいた紅茶を壮大に噴射。
「…な、なに言ってんの
朝岡さんの変態っ!!!!!」
「あはは♪さすが彩は妄想が豊かやね~。」
「……」
ちがうし!
んなこと言われたら誰でも吹き出すっちゅーの!
…───顔はどんどん真っ赤になり、もう照れてるのか怒ってるかあたし自身も分からない。
そんなあたしを、更に輪にかけるように…──。
「───…じゃあさ?
クリスマスは俺の家おいで?
…ケーキ予約してゆっくり過ごそ。」
「……えっ」
思いもよらない、的を得た本題。
その誘いを聞いてすぐに顔がニヤけたのは言うまでもない。
「ほっほんと!?!?」
「ん、彩がいいならね♪」
「行くっ!!あたしね、クリスマスケーキ予約したんだぁ♪」
はしゃぐあたしの頭をポンッと撫で、あたしより嬉しそうな笑みを浮かべ
「約束、な」
朝岡さんは会計の伝票を持って立ち上がった。