DEAR 2nd 〜Life〜
「えっ!?待って、朝岡さん早いっ…」
「えぇよ、ゆっくりで。
先払ってるから、忘れ物だけせんようにゆっくりおいで。」
もたもたとハンカチやらケータイやらをバッグに入れ、スタスタとレジへと歩く朝岡さんの後を追う。
「───…お会計1690円になります。」
視界の先に財布片手に会計を済ませている朝岡さんが見え、
「…待ってってばっ…」
マッハでコートを羽織り、バッグから財布を取り出して、小走りで朝岡さんの背中に近付く。
……が、
「───ありがとうございました~。」
───えっ!!
早っ!
あたしがやっとレジに到着した時には、時既に遅し。
「───行こっか♪」
気付いた時にはドアにどんどん促され…
「朝岡さん待ってっ!
お茶くらいあたし出す…」
「いいって、俺もケーキ食ったんやし♪」
「いや、別にその為にケーキあげたんじゃないって!それにいつも奢ってもらってるし悪い…っ」
「……俺は彩に財布出される方が嫌やねんって。
何回言ったら分かる?」
「……でも…」
───…いつもこう。
どこかに行った時、
どこかで食事をした時。
あたしが財布を出す素振りを見せると、朝岡さんは急に不機嫌になる。
あたしが朝岡さんより年下って事もあるのか……そこんとこはよく分からない。
「さっ、行こっ♪」
「…あ、あの」
今日も流されるようにドアに向かってグイグイ押され、
「ご馳走様でした…」
あたしはいつも小さく“ご馳走様”を口にする。
すると朝岡さんは目を細めて笑い、
─────…
「っ!?!?」
店を出た瞬間おでこにキスをされ
「───こちらこそ違う意味でご馳走様♪」
ふっと笑って車のロックを外し、照れるあたしを助手席に促した。
「ありがとう…」
助手席に座るまで優しい眼差しで見守ってくれたり、乗った後にバッグをさりげなく渡してドアを閉めてくれる瞬間。
そのさりげない仕草に、胸がキュッと縮まって笑顔が零れちゃうのは毎回の事。
大事にされてるのかなぁ…って、そんな嬉しい気分になっちゃうから。