DEAR 2nd 〜Life〜
目の前にそびえるのは、
冷たい感じさえ受ける校舎。
あたしはその校舎を睨むように目を細め、キュッと唇を噛み締める。
「……じゃっ、今日も頑張ってくるねっ♪」
溜め息を付く前に、素早く笑顔に切り替えた。
だって
「……」
───だってあたしは朝岡さんのこんな顔を見たくない。
「……朝岡さんがそんな顔しないでよ~
あたしなら大丈夫♪」
「………」
───…最近
一つ分かった事がある。
いつも強気なあなたが、
困ったように顔を曇らせる時。
それはあたしが傷付くのを我慢して笑う時に、ふいに見せる表情なんじゃないかと…
……大丈夫、なのにな。
そんなに心配される程、
あたし泣いてばかりじゃないんだよ。
ずっとうつ向いてたあの頃と比べたら、ちょっとは強くなったと思うんだけどな。
「───…俺も、さ…
励ましたいけど、毎回何て言ったら分からんくて……
逆にいつも俺が励まされてるみたいで…
何か…ごめん……」
────…いいのに。
そんなこと言わなくても、あたしは十分分かってるのに。
───ねぇ知ってる?
あたしが今日も頑張ろうって思えるのはね、
「───朝岡さんが…
朝岡さんがいてくれるから、あたし笑えるんだよ。」
曇りなく本心から笑って言うあたしに、朝岡さんは何かを悟ったのか表情を変え
「───…ありがとう…」
少しだけ、目に涙を浮かべ笑ってくれた。
「───ほんまはあんなとこに行かせたくない。」
「んっ、…っ」
強く塞いでくる口付けに、あたしの声が曇る。
「───…でも
もし彩が傷付いて戻って来ても、俺は絶対───…」
“待ってるよ”
────あの頃。
傷付いたらあなたが手を広げて迎えてくれる事、あたしは知っていた。
だけど待ち受ける闇があまりに深すぎて、あたしはそれさえ見えなくなった。
護りたい想いがあった。
守りたい約束もあった。
だけど
あたしは
あなたの元に帰れなかった