DEAR 2nd 〜Life〜
「──…や」
…誰?
「─────彩!」
────ビクッ!
聞き覚えがある声に、ガバッと勢い良く目を覚ました時
「───どうした…?」
「……朝岡…さん…?」
いつもの朝岡さんがそこにいた。
…あ…あれ…?
あたしどうして…
「───どうした?」
「う…ううん…」
嫌な胸騒ぎと共に、リアルな感覚に息が苦しくなる。
今の…なに…?
夢……?
「───寝起き悪っ。
料理作んの頑張り過ぎた?」
「え…えへ…そうかも…」
─────……
─────え?
料……理…?
「……朝岡さん…料理ってなに…?」
そんな記憶ない…
料理なんていつ作った?
ドクンドクンと再び嫌な拍動が脈を打ち、あたしは一歩後退りした。
「───何って…今日クリスマスやん?」
「…クリ…スマス…?」
朝岡さんの一言で、今まで気付かなかった背景が、まるで灯りがついたように見えてくる。
ツリーやリースで鮮やかに彩られた朝岡さんの部屋。
机にはキャンドルに幻想的に明かりが灯って──…
でも何故かその灯りを見つめた瞬間
────…フッ
誰かにキャンドルの灯りを吹かれた様に、急に辺りが真っ暗な闇へと包まれていく。
「───…え…
朝岡さんどこ…?」
ブラックホールに吸い込まれた様な、ゾッとする深い闇の底。
…朝岡さん…?
どこ…?
どこ行っちゃったの?
気付けばあたしは、その闇の中に一人取り残されていた。
「───やだっ…やだよ…
朝岡さん…っ!?
朝岡さんどこ…っ」
急に心細くなり、振り返ってキョロキョロと朝岡さんを裸足で探し回るあたし。
「───…っ…
やだ…
あたし言ったじゃない…
───もう…
もう一人ぼっちは嫌だって言ったじゃない…っ…」
神様は
どこまで意地悪なのか。
あたしにこんな夢を見せるくらいなら
初めから
こんな幻いらなかった。