DEAR 2nd 〜Life〜






再び視界が苦しいくらい狭くなっていく。





だって知ってるから。






朝岡さんが“英語”を使ってくる時は、自分が負担にならないようにあたしに気を遣ってるんだって事。





ライブのチケットの裏に、こっそり自分の気持ち書いてくれた時もそうだったよね。






無理強いするのを避けるのはいつもそうだよね…?








───…もしかして……





さっきうつ向いて何か見てたのはもしかしたら……








「…このメール打ってたのかな……?」









──────…ポツッ







確かな証拠はないけど、そう思うだけで涙が次から次へと溢れた。






単純に、朝岡さんの気持ちが嬉しかった事。





反対に、今の自分が腹立たしかった。






そんな真っ正直な朝岡さんに、真っ正面から向き合えない自分が。










……───数時間後。








「遅かったね彩。

どっか出掛けてたの?



あたし心配し…───」







「ハッピーバースデー。



&メリークリスマス♪」







やっと帰ってきたマリアの家。






出迎えてくれた玄関先で、あたしはマリアにケーキを差し出した。








……泣きながら、笑いながら。









「……どうしたの…?」





「……えへへ…






…………………






………~~~~────っ……」








変、だね。






あたし最近泣くこと我慢出来ないや。






どうやって今まで泣くの我慢してたっけ?








「……彩……」





何かを感ずいてくれたのか、マリアはあたしの背中をさすってくれた。







「……ふ……ぅっ……」






激しい嗚咽を繰り返し、呼吸が苦しくなるくらい泣いた。






どんな状態でも、今この瞬間。







あなたの事が、好き。






好き過ぎて苦しい。





好き過ぎてどうしたらいいか分からない。






分からない。






分からないの────…










─────…フワッ…






その夜。






「マリア見て~」





「ん~?」





「雪。雪降ってるね。」





「……ホントだ。




ホワイトクリスマスだね」







「…うん…」







聖なる夜に、疼く傷を抱え。




隣にいないあなたの事を、ただ想ってた。



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