DEAR 2nd 〜Life〜
まばたきが出来ないくらい。
目を閉じるのも忘れるくらい、朝岡さんを見つめていた。
「…───いいの?」
────フワフワ…
舞い落ちる桜の花びらが涙で滲み、視界がピンクに染まる。
あたしはキュッと手を握り、返事を溢した。
「────いい…」
構わない。
怖い気持ちが全くないって言ったら嘘になるけど。
───…だけど。
朝岡さんだから。
こんなにも、無償の愛で包んでくれる人だから。
立ち憚る壁の先にあるものを一緒に見つけたい。
高い壁さえも、きっと朝岡さんとなら二人で乗り越えられる気がするの。
…───空がもう夕焼けを呑み込み、深い夜の始まりが訪れた頃。
「…あの、朝岡さん」
「ん~?」
「……朝岡さんの家って入浴剤ある?」
「ないねぇ。」
「…じゃ、この入浴剤買ってく♪」
「…うぅわ…
すげぇピンク…」
楽しかったデートの帰り道。
山で自然散策を十分に楽しんだ後、二人はドラッグストアで仲良く買い物をしていた。
理由は帰りの車内で、あたしがお泊まりグッズを欲しがったから。
もともとお泊まりなんて予定してなかったし、まぁ簡単な話、家に取りに帰ればいい話なんだけど。
……でも
「───俺ん家に置いとけばいいんちゃう?
なら別に用意とか取りに帰らんでも、いつでも泊まり可能やん♪」
……なーんて提案するから。
そんな事言われて恥ずかしい反面、嬉しかったりする。
それって裏を返すと、
“いつでも泊まりにおいで”って言ってくれてるのかなぁ…
それにあたしの私物を置いていいって事は、ほんとに他の女の人の影がないって事なんだよねぇ…とか…
…なんて…
ほんのりピンク色に火照る頬に気付いたのか、朝岡さんはチラリとあたしを見つめ、
「……何妄想してんの?♪彩のエッチ♪」
「───なっ!!違うよ!」
「えぇよ~俺の前限定でならなんぼエロくなっても♪」
「だから違うって!」
にやにやしてる朝岡さんをポカポカと小さく殴り、
「…貸して、持つ」
手を繋ぎ、スーパーの袋一つ持ちながら。
あたし達は仲良くドラッグストアを後にした。