DEAR 2nd 〜Life〜
朝岡さんオススメのお洒落なフランス料理で美味しいご飯を頂いて。
ちょっと遠回りして、ドライブしながら夜景を楽しんで。
夢見てた“デート”は本当に楽しい一時だった。
今まで辛いことがあった分、一分一秒があたしにとっては奇跡で。
今一緒にいれる事自体がほんとに夢みたいで…。
もっとずっと一緒にいたくなる欲求は、収まるどころか増える一方だった。
「…───朝岡さんあの……お風呂…入って来てい…?」
「うん、行っといで。」
気恥ずかしい気持ちを押さえ、あたしは朝岡さん家のバスルームに逃げ込む。
────…ザァァァッ…
ようやく辿り着いた朝岡さんの家のバスルーム。
打ち付ける熱いシャワーを身体に浴びせながら、さっき買ったピンクの入浴剤を湯船に溶かす。
並んでいるボディソープやシャンプーを見ているだけで、朝岡さんを連想してしまってつい真っ赤になる。
……重症でしょ……。
────…ブクブク…
丁寧に身体を洗った後、急に込み上げてきた緊張に思わずブクブクと泡を吐く。
───来ちゃった……。
ついにここまで来ちゃったんだ……。
感極まって泣きそうになったけど、泣くのは止めておいた。
泣く場所はきっとここじゃないから。
────…カチャ…
「朝岡さんお風呂ありが───…」
湯気が籠った浴室のドアを開け、リビングにいる朝岡さんに声を掛ける。
…────が…
────…パサッ…
あたしはちょうど朝岡さんが着替えてる最中に突っ込んでしまったらしい。
あたしの目には、凛々しい筋肉質の背中が…。
やっぱり予想していた通りの素晴らしいお身体……っ!
───ってちがう!
「───ぎゃ~!!!!
ごっ、ごめ、あの!」
慌てて目を伏せるあたしに、上半身だけ脱いだ朝岡さんが近づいて
「───…待ってて?」
こそっと耳に残して行った言葉に、
「~~~~っ…」
脳がもう沸騰寸前だった。
い、今からこんなんだったら…
明日の朝、あたし無事に生きてるのか…。
「…はぁ…」
朝岡さんがシャワーを浴びている音が聞こえ、あたしは溜め息を吐いた。