DEAR 2nd 〜Life〜
そうこうしてるうちに、数十分経過。
「…っくしゅん!!」
下着+バスタオル一枚の超~薄着な格好に寒気がブルブル。
部屋着なんか持って来てないしなぁ…。
朝岡さんのシャツでも借りようかな、なんて周囲を見渡した時。
────カチャ…
すぐ背後から、扉が開く音が聞こえて。
「───っ」
あたしは緊張のあまり、そのままフリーズしてしまった。
────…ギシッ…
近付いてくる足音が床に軋む。
その音が妙にリアルに部屋に響くような気がして。
聴覚だけで欲情してしまうあたしはおかしい?
だって、ほら。
────…ふわっ…
そんな風に背中から抱き締めて来て
「───お待たせ…」
そんな声を出してくるなんて反則でしょう。
───…ポツポツ…
朝岡さんから滴る雫が、
あたしの肩に落ちてくる。
見上げると、朝岡さんの顔が史上最高に至近距離で。
後ろから抱き締められながらも、見上げて見つめるあたしの頬にポツポツ水滴が落ちてくる。
髪から落ちてくる雫がそのまま首筋に流れたりして、何だか艶っぽい。
「…───冷えた?」
「え?」
「───身体。
冷たくなってる。」
「───!え…っ…、」
冷えきった肩に唇を這わしてくる朝岡さんの急な行動に、胸がキュッとなる。
「──朝岡さん待っ…!!」
谷間にキスされてる図を見て、恥ずかしさで爆発しそうだ。
あたしはとっさに身に纏ってるバスタオルを握り締める。
「……ふっ…」
これだけは脱がされまいとバスタオルを必死に握り締めてるあたしを見て、朝岡さんはくすくす笑う。
「…何…」
「……いや。
何か身構えてるなと思って」
「…だって…───きゃぁっ!!」
ふふっと笑みを溢し、朝岡さんはあたしをヒョイッと抱き上げた。
─────…トンッ
そのままゆっくりと、宝物を運ぶかのようにベッドに降ろされるあたし。
どぎまぎしてうろたえていると
─────パチッ
照明が消え、月明かりだけがあたし達を照らした。
……もう、戻れない。
朝岡さんを愛してなかった頃には戻れない。