DEAR 2nd 〜Life〜
…───快晴。
天気は絶好調。
窓から見える景色からして、まさにライブ日和っていう今日。
混雑した道を避け、抜け道をくぐり抜け──…
「───うっわぁ~…
すっっごい人!」
到着した会場に足を踏み入れた時には、既に人がわんさか集まっていて。
遠くの方からは───…
「───ねねっ!!
見て、あれもしかして紅じゃない!?!?」
「えっ!!うそマジ!?
どこどこっ!?!?」
「やーん今日も絶対見るーっ!!!!」
……そうやって背伸びしたり、キャアキャア言いながらみんなを見つめてる人達が沢山いて。
「…、」
我ながら、すごい人達と知り合いになったもんだな~…なんて。
別にあたしが注目されるわけじゃないのに、こっちまで肩が縮みそう。
……にしてもみんなすごいなぁ…。
人の視線を気にもしないでシャンと歩く朝岡さんとマリアに、
ファンに手を振り返すサービス精神旺盛ないっちゃん。
そしてそんないっちゃんをズルズル引っ張るゴローちゃん…。
それにファンの人もすごいなぁ…。
“アマチュアだから”って甘く見てないのがすごい…。
「────彩?」
「え、あっ何!?」
…───いつの間に控え室に到着していたのか。
覗き込んでいる朝岡さんの顔にビックリして跳ね上がる。
「…───あんな、俺ら今からリハーサルあるんやけどさ。
彩どうする?リハ見る?」
「…え、リハーサル…」
…うーん…。
どうせなら本番までお楽しみにしたいしなぁ…。
グルグルと天秤に載せた結果。
「…ううん!
やっぱり本番まで楽しみにしたいから遠慮しとく♪」
ニコッと笑い、残る旨を伝えれば
「ん、分かった。
じゃあリハーサル終わるまでこの辺にいといてくれるか?」
「うん分かった♪」
朝岡さんもニコッと微笑み、あたしの頭をポンと撫で
「───っしゃ!
いくで!!」
「ラッジャー!!」
ライブモードに切り替わった朝岡さんが気合いを入れて振り向き、みんなと共にリハーサルへと向かって歩いていった。
…──やっぱり、あたし。
輝いてる朝岡さんが好きだ。
……大好きだ。