DEAR 2nd 〜Life〜
…───この先。
何の為に生きているか分からなくなった時は、もう一度思い出そうと思う。
一人でも食いしばって苦しみに耐え抜いた事。
暗闇の中でも、必死に生きようともがいた事を。
今なら少しだけ分かる気がする。
マキ達がどうしてあたしを苦しめたのか。
マキはきっと……
人の幸せそうな姿を素直に受け止められず、妬みや恨みに変えてしまう人間なんだと思う。
人の幸せを喜んであげられない……そんな寂しい人間なのかもしれない。
そんな“あたし”の幸せを何回も何回も壊そうとしたけれど、それでも這い上がってくるあたしに憎しみが膨れ上がったのかな。
どんな理由があるにせよ、あたしはもう二度とマキと笑い合う事はないと思う。
仮に謝られたとしても……
もう、友達だった日には戻れない。
一生許す事はないし、一生分かり合おうとも思わない。
…───だからこの先。
あんたにとって一番嫌な事をあたしは続けていく。
「───…生きてやる…」
生きてやる。
どんな事があっても、地に這いつくばってでも、何がなんでもこの一瞬を生き抜いてやる。
きっとそれがあんたにとって一番腹が立つ事なんだろうから。
これからも、存在し続けてやる。
あたしは決意新たに、真っ直ぐ空を見つめた。
その時
────…フッ
「…えっ!?」
急に目の前が真っ暗になり、驚いて体が強張る。
───けど……
────グッ…!
「ひゃっ…!」
そのままひょいっと抱き上げられ、途端に体が宙に浮いた。
なっ、何!?!?
突然の出来事に状況を把握しようとするも
「───見つけた♪」
フワリ……と。
胸がキュンと疼く甘い香りを漂わせ、愛しい人の笑顔が目下に現れた。
「…──朝岡さんっ…!!」
あたしの声にギュッと抱き締め返してくる朝岡さんに胸が高鳴る。
「───良かった…。
どこ行ったんかと思った…」
そうやって、安心したように抱き付いてくる朝岡さんが子供みたいで。
「───行かないってば…」
“いなくならないで”と小さく呟く朝岡さんが愛しくてたまらなくて、あたしはギュッと抱き締め返した。