DEAR 2nd 〜Life〜
────……あ……。
「……ご、ごめんなさい……。」
………バカ……。
「いや、全然!
知らんかったんやから、当たり前やって。」
──…朝岡さんは“気にするな”って笑ってくれたけど、申し訳なくて仕方なかった。
「……でも……」
悲しいこと思い出させたんじゃないかって……。
口をつぐんでしまうあたしを優しい眼差しで見つめる朝岡さんは
「───…俺のお袋さ、
俺が小学校三年の時に癌で逝ってもうて……
………そこからは、親父と二人。
色んなとこ転々としたけど、結局一番初めに住んでたここに戻ってきてん。」
───…朝岡さんは窓から遠目に景色を見つめ、ゆっくりと自分の過去を話してくれた。
「───じゃあ……
さっき言ってた大学行かせてくれたのがお母さんだって言うのは……?」
「───あれはお袋が俺の為にって遺してくれた金。
長くは生きられへんって……。お袋はお袋なりに分かってたんやろうな。
“本当に困ったら使うように”って、莫大な遺産残してくれてたよ。」
「……それで大学に……?」
「そ。デキた親やろ?
お袋の“子を思う気持ち”、俺めっちゃ感動したもん。
ありがたいなーって。
そっからは真面目に大学で勉強してるよ。」
「………うん……。
本当にそうだね………」
───…朝岡さんの事を知る度に、朝岡さんが見えてくる。
今まであたしは朝岡さんの表面上しか知らなかったね。
全然見ていなかったね。
奥に秘めてる気持ちとか
感情とか
歩いてきた道とか
どういう過去を抱えているのかとか
朝岡さんの軌跡。
───今まで知ろうともしなかった自分を思い知った。