DEAR 2nd 〜Life〜



「───彩は自分の親のこと好き?」





「……え?」





顔を上げると、朝岡さんの真っ直ぐな眼差しに捕らえられた。






「───……」







───…あたしの慣れてる場所での進学を望んでくれたお父さん。





“引っ越すのはイヤだ”





そんなワガママを聞いてくれて、お父さんはあたしの為に一人遠く離れた場所に転勤した。





離れてても電話やメール、誕生日プレゼントを欠かさず送ってくれ、深い愛情を注いでくれるお父さん。





……そんなお父さんを賢明に支えるお母さん。





ご飯もお弁当も毎日美味しいの作ってくれて、洗濯も掃除も完璧で




明るくて陽気で、何気ない話から相談まで乗ってくれて




毎日毎日変わらない愛情を惜しみなくくれるお母さん。






───そんな二人を心から






「───大好き……。」





尊敬しないわけがない。






「───…そっか♪」






あたしの返事を聞くと、朝岡さんはいつにもなく穏やかな表情で






「───彩を育てた親に感謝♪」






そう言って、優しく頭を撫でた。





「……な…何で……?」





「……んー、だって彩がこんなに素直に育ってるからかな?」





「………そう……?」






返事の代わりに朝岡さんは笑って頷く。







「───親の事をそんな風に感謝してる彩が、俺は好きやな。」






「……………えっ……」







─────ガタン!









「────…あ……」








突然訪れた胸の刺激に翻弄されて




飛び上がる胸の音を消そうと焦った結果、





……気が付いたら





───バサバサ──…ッ!!






腕が机に当たり、

参考書が床に散らばっていた。



< 62 / 475 >

この作品をシェア

pagetop