DEAR 2nd 〜Life〜
「───彩は自分の親のこと好き?」
「……え?」
顔を上げると、朝岡さんの真っ直ぐな眼差しに捕らえられた。
「───……」
───…あたしの慣れてる場所での進学を望んでくれたお父さん。
“引っ越すのはイヤだ”
そんなワガママを聞いてくれて、お父さんはあたしの為に一人遠く離れた場所に転勤した。
離れてても電話やメール、誕生日プレゼントを欠かさず送ってくれ、深い愛情を注いでくれるお父さん。
……そんなお父さんを賢明に支えるお母さん。
ご飯もお弁当も毎日美味しいの作ってくれて、洗濯も掃除も完璧で
明るくて陽気で、何気ない話から相談まで乗ってくれて
毎日毎日変わらない愛情を惜しみなくくれるお母さん。
───そんな二人を心から
「───大好き……。」
尊敬しないわけがない。
「───…そっか♪」
あたしの返事を聞くと、朝岡さんはいつにもなく穏やかな表情で
「───彩を育てた親に感謝♪」
そう言って、優しく頭を撫でた。
「……な…何で……?」
「……んー、だって彩がこんなに素直に育ってるからかな?」
「………そう……?」
返事の代わりに朝岡さんは笑って頷く。
「───親の事をそんな風に感謝してる彩が、俺は好きやな。」
「……………えっ……」
─────ガタン!
「────…あ……」
突然訪れた胸の刺激に翻弄されて
飛び上がる胸の音を消そうと焦った結果、
……気が付いたら
───バサバサ──…ッ!!
腕が机に当たり、
参考書が床に散らばっていた。