その手で触れて、そして覚えて。
その次の日から、颯生くんは毎日帰りはわたしを家まで送ってくれるようになり、玄関で抱き締め合い、キスをして帰るのが日課になった。
会社では、「七花主任」と「街風くん」と呼び合い、出来るだけ周りにバレないように過ごしていたが、それは紗和だけには通用しなかった。
「ねぇ、七花。街風くんと付き合い始めたの?」
ある日の休憩中、食堂で社食を食べている時に隣に座る紗和が言った。
わたしは紗和の言葉に、つい吹き出してしまいそうになり、口を両手で押さえた。
「ちょ、何で分かったの?!」
「やっぱりね〜」
「周りには秘密だよ?」
「分かってるって。はぁ、、、七花もついに彼氏できたかぁ〜」
「何か改めてそう言われると、恥ずかしいなぁ、、、」
「いい事じゃない!最近の七花、何か笑顔が増えたし、幸せオーラが出てるよ?」
「えっ?!」
自分では普通にしてるつもりだったけど、そんなにわたし笑顔増えてるの?
幸せオーラが出てる?
「でも、七花を見てると、ちゃんと街風くんに大切にしてもらってるんだなぁって分かるから安心する。」
「ちょっと、あんまり名前出さないでよ。」
「おっと、ごめん。」
紗和には隠し事なんて出来ないなぁ。
そう思いながら、改めて気を付けないとなぁと感じたのだった。