その手で触れて、そして覚えて。
そして、次の休みの土日。
約束通り、颯生くんがわたしの家に泊まりに来た。
日中は雑貨店を見て回ったり、外でランチをして過ごし、夕方には二人でスーパーで買い物をしてから帰宅した。
この日は二人でキッチンに立ち、ハヤシライスを作り、食事のあとは二人でお風呂に入り、お風呂のあとは寄り添いながらソファーに座って過ごした。
すると、颯生くんが「七花さん、実は、、、話したいことがあるんですけど。」と言い出した。
「ん?何?」
「、、、実は今日、小山課長に本社に研修に行かないかと言われて、、、」
わたしはそれを聞いて、すぐに分かった。
その研修は、わたしも行ったことがあるからだ。
いずれ昇格試験を受けるのであれば、必ず本社での研修が必要で、新入社員で特に男性は行く事を勧められるのだ。
「凄いじゃない。まだ入社して2ヵ月くらいで研修を勧められるなんて!」
「有り難い話なのは分かってます。いずれ、昇格試験を受けるなら必要な研修だとも聞いたので、、、」
「うん、そうだね。」
「でも、、、」
颯生くんが迷っている理由は分かっている。
その本社での研修は、1ヵ月も出張で行かなければならないからだ。
そうなれば、わたしたちは1ヵ月も会えないことになる。