契約の愛で結ばれたのは、まさかの敏腕CEO!?~独占欲滾るスパダリは極上溺愛で囲い離さない~
「茉莉花、そんなに二人を喜ばせなくていいから」
「え? は、はい」
「あら~、我が息子は嫉妬深いのね」
「ははは、誰に似たんだか」

 颯馬の両親が楽しそうに笑うものだから、茉莉花もつられて微笑んだ。

 この短時間で茉莉花はすっかり打ち解けていた。



「……颯馬は昔から一人遊びが好きでねぇ。よく私たちや兄の翔太から離れて、ふらっと公園で遊んでたりして」
「そうだったなあ。最初は家族みんなで探していたんだが、次第に慣れて、『あぁ、またか』という感じでね」
「ふふふ、そうなんですね」

(お兄さん、いたんだ)

 知らない話が飛び出すたびに、茉莉花は驚きそうになるのを抑えつつ、話を楽しんだ。

「おや、もうこんな時間だ。二人はこの後デートだったね」
「そうよ! お邪魔したら悪いわ。私たちはそろそろ失礼するわ。もし時間があるなら翔太にも挨拶していってね」
「分かったよ。茉莉花、後で兄さんにも会ってくれるかい?」

(お兄さんは翔太さんって言うのね。後で会うってことは、近くに住んでいるのかしら?)

 茉莉花は「えぇ、もちろん」と頷きながら、ぼんやりと考えた。



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