契約の愛で結ばれたのは、まさかの敏腕CEO!?~独占欲滾るスパダリは極上溺愛で囲い離さない~
 追い打ちをかけるように、その日の夜、優香からメッセージが届いた。

『今日、颯馬さんと会ったよ。えへへ、デート。なんてね!』

 なんて返せば良いか分からず固まっていると、連続してメッセージが送られてくる。

『怒った? 冗談だよー』
『でも、颯馬さんってすごく紳士だね! やっぱり藤堂グループは品があるっていうか』
『茉莉花が気後れしてないか不安になっちゃった……』
『茉莉花だったら、この間言ってた会社の先輩とかの方が気楽かもよ? なんて、お節介だね』

 茉莉花は震える手でスマホを切ると、そのままベッドに横たわった。

「やめてよ……」

 けれどその願いも虚しく、茉莉花のもとには優香からのメッセージが頻繁に届くようになった。

『今日またまた颯馬さんと会っちゃった~』
『家のこととか相談に乗ってもらっちゃった』
『やっぱり藤堂グループ社長の弟さんだから、話が合うみたい!』

 メッセージの最後には必ず颯馬のことが書かれている。

 茉莉花と颯馬が恋人同士だと伝えてあるのに、まるで知らないかのような反応だ。

(どうしてこんなに颯馬さんのことばかり……聞きたくない)

 そう思っても、優香に伝えることは出来なかった。

 優香に嫌われたら、友達が一人もいなくなる。
 ずっとそばにいてくれた優香が、他の人みたいに離れていってしまう。

 何より、優香に対して「颯馬さんは私の恋人」だと言う気力がなかった。

(だって本当は付き合っていないんだもの。もう諦めたんだもの。そんなこと優香に言う権利なんてない)

 だから茉莉花は、優香に当たり障りのない返答ばかりしていた。


(優香はきっと、颯馬さんのことが好きになったんだ。当然だよね、あんなに素敵な人だもの。じゃあ颯馬さんは……?)

 そこまで考えると、茉莉花は頭を振った。

「早く新しいお部屋を見つけなきゃ」

 茉莉花は勉強する時間を減らし、物件探しに力を入れるようになっていった。


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