契約の愛で結ばれたのは、まさかの敏腕CEO!?~独占欲滾るスパダリは極上溺愛で囲い離さない~
 今日も同じように夕食後は二人で過ごし、気づけば23時を回っていた。

「そろそろ終わりにしましょうか」
「はい」

 茉莉花は広げていたテキストを片付ける。
 ふとカレンダーが目に留まった。

(もう付き合ってから三ヶ月も経つのね)

 あっという間に過ぎていく日々。


(あの二人が私の目の前からいなくなってから、もう三ヶ月……)

 茉莉花は檜山と優香のことを思い出していた。


◇◇◇

 檜山はあの後、罰金刑に科されたと聞く。その上、会社を辞めて地方に移住することになったらしい。
 茉莉花への接触禁止命令が下され、それに従うためだという。

「逆恨みされるでしょうね」

 結末を知った茉莉花が不安を口にした時、颯馬は茉莉花を安心させるように肩を抱いた。

「大丈夫ですよ。兄さんが手を回しましたから」

 颯馬はそれしか言わなかったが、茉莉花も深追いすることはなかった。

 優香も田舎で療養することになったと聞いた。
 彼女からは一度だけ連絡が来たことがある。

『ごめんなさい。もう連絡しません』

 たった一言だったが、それは本心なのだろうと思えた。
 けれど、茉莉花が返信することはなかった。

(もう他人として生きていく方がいいのよね。お互いに)


 細かい対応はすべて弁護士が代理で行ってくれたため、二人について、茉莉花は書類上のことしか知らない。

 それで良いと茉莉花は納得していた。

(時間とともに忘れよう)

◇◇◇


「そろそろ寝ましょうか」
「はい。今行きます」

 茉莉花はリビングの電気を消し、二人の寝室へと向かった。



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