俺様同期の執着愛
「お前が完全に武本を忘れられるまで、俺はいつまでも待つつもりだ。だからその、俺のこと拒絶しないでほしいというか……あーなんか、カッコわりぃな」

 柚葵が思いきり困惑しながら焦っている。
 でも、ちょっと待って。彼は少し勘違いしているかもしれない。

「拒絶なんてしないよ。だって、私も柚葵のことが好きだから」

 ずっと胸に秘めていた想いを、勢いで口にした。
 すると柚葵は目を見開いて固まった。

「冗談?」
「違うよ」
「いや、俺に同情しなくても」
「違うって」
「だってお前、まだ武本のこと好きなんじゃ?」
「きっぱりお別れしたって言ったよ」
「自販機の前でお前が武本に絡まれていたとき、あいつのこと好きだって言ってただろ」

 あれを、聞かれていたんだ。
 だけど、ぜんぜん違う。

「あれは……好きな人がいるって言ったの。柚葵のことだよ」
「俺?」
「そうだよ。私は柚葵のことが好きなの。体だけじゃなくて、心もほしいの。ずっと、言えなかった……」

 柚葵は驚き、それからハハッと乾いた笑いを洩らした。

「なんだ、そっか……なんだよ。俺、空回りしてたのか」
「私も、そうだったみたい」

 お互いに恥ずかしくなり、顔を背ける。
 雪がひらりと舞い落ちて、それが妙に心地よかった。

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