俺様同期の執着愛
「はい、こっち向いて」

 ぐいっと顎を掴まれたまま顔を斜めに傾けられたら、そこに覗き込む柚葵の顔があって、そのままキスをされた。

「んっ……!」

 ま、まずい……。
 お風呂の中ってやけに、いろんな音が響きやすい。
 口づけを交わす音とか、息遣いとか、洩れ出る声とか、それらがいつもより感覚を敏感にさせて余計に体が熱を帯びていく。

「ま、待って……そろそろ、のぼせてきちゃった」

 湯にのぼせたのか、それとも触れ合いでのぼせているのか。
 それさえわからないほど理性が壊れている。
 脳みそバグってる。思考が蕩けていく。

「んー? それは早くしたいという意味で?」
「っ……!」

 いちいち訊かなくてもいいのに!
 それともわざと煽って楽しんでいるの?

「ねえ、綾ちゃん。言って?」
「なにを……」
「ほら、俺とどうしたい?」
「ば、ばかっ」

 わざとらしく私の耳もとで囁きながら、私の唇を指でなぞる柚葵。
 なんで柚葵相手にこんなにドキドキするんだろ。
 彼のいつもの悪戯っぽい冗談さえ、今の私には刺激が強い。

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