俺様同期の執着愛
【柚葵のターン】

 寿司食いに行くなんて口実に決まってんだろ!!!

 本音はこうだ。
 今日、俺んち泊まっていかない?
 ていうか、お前のスーツ脱がせていい?
 
 バカか、そんなこと言えるわけねーだろ。

 いや、それはさておき。
 とりあえず今日は予想よりはるかにクライアントの反応がよかった。綾芽の資料も褒めてくれたし、俺の見る目は間違っていなかったな。
 綾芽をこのまま俺の補佐に置いてもらえるように課長に申し出るつもりだ。

 そうしたら、武本と綾芽が社内で会うことも減るだろう。
 そう、俺のもっとも懸念していることは武本と綾芽が鉢合わせしてしまうことだ。常に俺と一緒にいれば綾芽があいつと会う機会は激減する。

 どうにかして綾芽を俺のそばに置いておかなければならない。
 もちろん、綾芽の仕事を評価しているのも理由のひとつだが。

 そんな考えをめぐらせていたら、まさに本人と廊下でばったり出くわした。向こうは自社の人間と一緒にいる。
 とりあえず「お疲れ様です」と挨拶をしておいた。
 武本は何も気にすることなく俺に笑顔で挨拶を返し、そのまま立ち去った。

 俺のことなど眼中にないだろう?
 だが俺は、あんたが大嫌いだよ。
 もう二度と綾芽に近づけさせないからな。

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