敏腕システムエンジニアの優しすぎる独占欲〜誰にでも優しい彼が、私にだけ甘すぎる〜
「茉莉さん、この資料の確認をお願いしてもいいですか? 少し不安で……」

近くにいた社員の一人が私に声をかける。

「もちろん!見せて?」

笑顔で資料を受け取り、細かい点を一緒に確認する。その様子を見ていた他の社員たちも、次々と私のもとに集まってきた。

「茉莉さん、私達も良いですか……?」
「新婚旅行に行く前に、ちょっとでも教えてもらいたくて」

その言葉に、私は思わず頬を赤らめる。

「こちらこそありがとう。皆さんが頑張ってくれるおかげで、私たちも安心して出発できる」

そう伝えると、社員たちは和やかに笑い合い、オフィスがさらに温かい空気に包まれた。

そんな光景を少し離れた場所で見ていた柊真が、くすっと笑いながら社員たちに声をかける。

「明日から茉莉を奪ってしまって、皆に恨まれそうだな。これはお土産を弾まないと」

その言葉に、オフィス全体が一気に明るい笑い声に包まれる。そして、私が最後の資料を社員に手渡したところで、突然拍手が起こった。

「社長、茉莉さん、いってらっしゃい! お二人がいない間も、全力で会社を守りますから!」

その言葉に、私は胸がいっぱいになる。

「ありがとうございます……!」
「……はは、頼もしいな」

社員たちの温かな笑顔に見送られながら、私は深く一礼した。柊真も笑いながら頭を下げる。

そして、オフモードになった彼は、そっと私の手を取り、優しく指を絡めた。

「じゃあ、行くか」

柊真の低い声に頷き、二人でオフィスを後にする。
扉が閉まる瞬間、私は窓越しに手を振る社員たちを見て、ふと微笑んだ。

「こんな環境で働けるなんて、夢みたい」
「俺も同じだよ。これからも一緒に、この会社をもっといい場所にしていこう」

その言葉に、私は力強く頷く。

オフィスの外に出ると、爽やかな風が吹き抜けた。どこまでも広がる青空の下、私は柊真の隣を歩く。この手を握る温もりが、これからの未来を照らしてくれる。
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