いきなり三つ子パパになったのに、エリート外交官は溺愛も抜かりない!

「でも……ご迷惑ではないですか? 仕事も忙しいでしょうし」

 誘ってくれたことはうれしいけれど、ただの留学生が、外交官に負担をかけるのは申し訳ない気がする。

(さっきも忙しかったって言っていたし)

《大丈夫だから、気にしないで。日本からの留学生をフォローするのも自分の役目だと思ってる》
「そうなんですか?……それなら、お願いしたいです」

 麻衣子が遠慮がちにそう言うと、裕斗が「分かった」と明るい声で応じた。役目だから仕方なくという感じはなく、楽しみにしているような感じがする。

(責任感が強くて、前向きな人なんだな)

 麻衣子が亜里沙の友人だからというのも、気にしてくれる理由なのかもしれない。

(そういえば、亜里沙と羽澄さんにはどんな繋がりあがるのかな)

 ホームパーティーに呼ぶくらいだから、親しく付き合っているのだとは思うが、知人と紹介された気がする。

《雨村さん?》

 考えこんでいたからか、羽澄の声を聞き逃してしまったようだ。裕斗が怪訝そうに呼びかけてくる。

「あ、ごめんなさい、よく聞こえなくて。もう一度言って貰えますか?」
《あとで俺のスケジュールを送るのから、雨村さんの希望の日を教えて欲しいっていったんだ》
「私は来週でしたらいつでも……週末は授業がないので」
《週末なら俺も空いてるから丁度いいな》
「はい……」
《疲れているみたいだな。早く休んだ方がいいだろうから、今日はこの辺で》

 裕斗の声から労りを感じて、麻衣子は自然と微笑んだ。

「気遣ってくれてありがとうございます。羽澄さんもゆっくり休んでくださいね」 
《ああ、おやすみ》

 穏やかな声を最後に、通話が途絶えた。

 麻衣子はスマートフォンを手にしたまま、ごろんとベッドに寝転がった。

 胸の奥が擽ったい。

「出かける約束をしちゃった点……」

 小さな声にしたのと同時に、じわじわと喜びがこみ上げてくる。

 途絶えかけていた彼との縁が再び繋がったのだ。

 麻衣子は幸せを感じながら目を閉じた。
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