いきなり三つ子パパになったのに、エリート外交官は溺愛も抜かりない!
「彼女はクラスメイトの雨村(あめむら)麻衣子(まいこ)さん。彼女はすごくいい子で、まだ出会ったばか
りだけど親友になったの」
亜里沙の明るい声に麻衣子ははっとして頭を下げた。
「よ、よろしくお願いします……」
慌てたせいか、それ以上言葉が続かない。きっと無愛想だと思われた。けれど目の前に佇む彼を見た瞬間に感じた衝撃からいまだに抜け切れていないのだ。ドキドキと胸が高鳴って……これはもしかして一目ぼれなのだろうか。
(……いえ、まさか。ただ外務省の人と話すのなんて初めてだから緊張しているだけ)
一瞬浮かんだ考えを、麻衣子は即座に否定した。
たしかに彼は、これまで見たことが無いくらい人目を惹く容姿をしている。
けれど麻衣子は決して惚れっぽいタイプではないし、恋愛に関してかなり奥手というか熱意がなく、今年の四月に二十五歳になったが一度も恋人ができたことがない。
きっと日本では経験したことがない華やかなパーティーの空気に、少し舞い上がっているだけだ。
(落ち着こう。浮かれて失礼な振る舞いをしないようにしなくちゃ)
「私は挨拶周りをしてくるわ。裕斗さん、その間、麻衣子をよろしくね」
亜里沙が、手を振りながらその場を後にした。
初対面の裕斗とふたりという状況に麻衣子は緊張を覚えたが、裕斗は平然としている。視線が合うと彼は麻衣子を気遣うように微笑んだ。