好きって言ってよ ~先輩、溺愛しすぎですっ~
「いま帰りですか?」

「うん、ファミレスで勉強してた~。小糸ちゃんは試験勉強しなくていいの?」

「うっ…。勉強はあたしが最も嫌いなことです…」



そう言う小糸ちゃんはバツが悪そうな顔。



反応がかわいいな~…。



「勉強は頑張らないとダメだよ?」

「うう…。そうですよね…」



おもしろい…。



小さい子供が親から嫌いなものを食べさせられるときみたいだ。



「良い子は勉強しなさい」



ちょっとからかってみた。



小糸ちゃんはますます苦い顔。



「じゃあ…試験頑張ったらご褒美ください!」



小糸ちゃんが意を決した顔で言った。



お、なんかスイッチが入ったみたい…。



「いいよ」

「絶対ですよ!?」

「分かった」



小糸ちゃんが「約束!」と小指を差し出してきた。



俺は小指で約束する。



「じゃあ帰って勉強します!」

「えらいえらい」



小糸ちゃんはそう言って公園から出て家に帰って行った。



ほんと子供みたいでかわいいな~…。



ほほえましく小糸ちゃんの後ろ姿を見送った。



次の日も放課後ファミレスで穂高と勉強。



すると、近くのテーブルから聞き覚えのある声…。



見ると小糸ちゃんが友達と勉強していた。



おお~、えらい!



ちゃんと勉強してる!
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