好きって言ってよ ~先輩、溺愛しすぎですっ~
「えっ、これはワンチャンあると思っていいやつ!? それとも義理チョコかな!?」

「え~、絶対バレンタインの誘いじゃん、こんなん…」

「だよな!?」



穂高のテンションが一気に高くなった。



いいなあ…。



「ちょっと放課後影から見守っててくれね!?」

「え、やだよ…。なんで穂高の告白シーンなんて見ないといけないの? それに帰りは小糸ちゃんと帰るし…」



俺がそう言った瞬間、俺のスマホも鳴った。



小糸ちゃんから…。



『今日の放課後は一緒に帰りませんから!』



うそ!?



え、ほんとに俺嫌われちゃった…?



無理すぎるんですけど…。



『小糸ちゃん、本当に俺が悪かった。ごめんね。だから一緒に帰らないとか言わないで』

『いや、今日は無理です。普通に。予定入ったんで』



なんか冷たい…。



ショック…。



ショックな俺は、放課後ついてこいという穂高にあらがえず、呼び出された校舎裏までついていった。



校舎の隅で穂高を見守る…。



そのとき、明莉ちゃんが現れた。



緊張してるっぽい顔…。



これはもう100%本命チョコだ…。



すると、後ろから気配がした。



振り向くと小糸ちゃん。



「小糸ちゃん…」

「先輩…」



なんとなく気まずい雰囲気…。



「明莉ちゃんのこと見に来たの?」

「はい、見守っててって言われて…。先輩も?」

「そう…。なんで受け取る側も見守られる必要があるんだろうね…」



また流れる気まずい雰囲気…。
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